2020年5月4日
新型コロナウイルスをラクダ、ラマ、アルパカに注入しできあがった抗体を検証した。人にできる抗体よりも安全性が高く効果が期待できる特殊な抗体ができあがった。
以下は論文からの抜粋。
l ラクダ科動物(ラクダ、ラマ、アルパカ)、軟骨魚類の抗体
Ø 重鎖2本のみの抗体 = 重鎖抗体
Ø 抗原に結合する部位はVHのみがつくる = シングルドメイン抗体
l ラクダ科抗体のVHドメインだけ = VHH抗体, ナノ抗体, ナノボディー
Ø 抗原との選択的結合は変わらない
Ø 分子量が一般的な抗体の約1/10 →高い安定性
Ø 抗抗体抗体の出現が最小限
Ø 組織透過性 → 噴霧で投与可能
l ラマにSARS-CoV-1のスパイクタンパク質を免疫 → VHH抗体を調製 → SARS-CoV-2の細胞への侵入を阻害(VHH抗体がスパイクタンパク質に結合してACE2との結合をブロックする)
l 北里大学、花王、イプシロン・モレキュラー・エンジニアリング社の研究グループ
アルパカから作られたVHH抗体を作成 → SARS-CoV-2の細胞への侵入を阻害
Wrapp D, et al. Structural Basis for Potent Neutralization of Betacoronaviruses by Single-Domain Camelid Antibodies. Cell (2020). https://doi.org/10.1016/j.cell.2020.04.031